お酒が睡眠に及ぼす影響

お酒が睡眠に及ぼす影響

お酒が睡眠に及ぼす影響

お酒は百薬の長とも呼ばれているように、適量であれば健康には様々なメリットを享受できます。

 

特に、血行促進作用とストレスを解消する効果は絶大で、上手に付き合うことさえ出来れば必ずしもマイナスというわけではありません。

 

しかし、一方でアルコールを肝臓で分解する際には、アセトアルデヒド(acetaldehyde) という毒性の強い物質が生産されるので、デメリットがあるのも間違いありません。このアセトアルデヒドは発がん物質であり、食道がんとの関連性が指摘されています。特に、顔が赤くならないタイプの人が飲むと、発がんリスクは414倍にも達するということが判明しています。

 

さらに、アセトアルデヒドは睡眠にも悪影響を及ぼすので、成長ホルモンの分泌量が減少することになります。これは、アルコールがアセトアルデヒドに分解される際に、交感神経が刺激されるからです。これにより、激しいのどの渇きが生じるので、覚醒しやすい状態となります。

 

なお、アセトアルデヒドに分解されるのは、飲みだしてから大体3時間が経過したころで、これ以降は覚醒作用が働くことになります。すると、ノンレム睡眠という深い眠りに入れなくなるので、眠りの質自体が低下することになります。このために、お肌のターンオーバーがスムーズに行われなくなるので、シミやしわが出来やすくなったり、毛母細胞が分裂する頻度が低下するので、髪の毛が細くなり軟毛化するという状態が起こりやすくなります。

 

この様な変化が起きる理由は、睡眠不足により成長ホルモンのテストステロン(testosterone)の分泌量が低下してしまうからです。テストステロンは、活力の源の様な役割を担っている物質で、この生産量が減少すると様々な不調が発生しやすくなります。特に怖いのが鬱病で、精神的な落ち込みを解消するために、アルコールが手放せなくなる依存症を招いてしまいます。

 

ちなみに、アルコール依存症はアルコール中毒と呼ばれていた薬物依存症の一種で、飲酒により得られる薬理作用に強く囚われてしまうのが特徴です。自らの意思の力でコントロールできなくなり、強迫的に飲酒行為を繰り返すことになります。

 

なお、具体的な症状は身体的依存と精神的依存から成り立っており、自らの身体を壊してしまうのを始めとして、家族に迷惑をかけたり、様々な問題を引き起こすことになります。これにより、社会的な信用を失ってしまうことも少なくはありません。厚生労働省の調べによると、2,013年時点で国内のアルコール依存症人口は、1,000,000人を超えていることが明らかとなっています。

 

このように、深刻な状態にならないようにするためには、どの様にお酒と付き合えば良いのでしょうか?そのヒントは、途中でも述べたように、良質な眠りを確保するということです。つまり、アセトアルデヒドが分解されて以降に眠る様にするという方法で、具体的には就寝の3時間から4時間前には晩酌を済ませておくのが適当です。つまり、12時に寝る場合は、8時から9時の間に飲み終えておけば大丈夫ということです。

 

ただし、飲酒量が過剰な場合は、短時間でアルコールを分解してアセトアルデヒドを解毒することは出来ないので、就寝の3時間から4時間前に飲み終えた場合でも悪影響が及ぶことになります。このために、適量を守るということも心がけなくてはなりません。

 

ちなみに、厚生労働省が規定している飲酒量の適量は、1日平均純アルコールで20グラム程度で、これはビールであれば中ビン1本、日本酒では1合、アルコール度数7パーセントのチュウハイであれば350ミリリットル缶1本、ウィスキーの場合はダブル1杯(60ミリリットル)に相当する分量です。また、これに加えて、1週間の内で2日は飲まない日(休肝日)を作ることも推奨しています。

 

このように、お酒と上手に付き合うためには、ゆっくりと余裕をもって飲むということが大切です。酔うことだけを目的にするような飲み方を続けていると、眠りへの悪影響→テストステロンの分泌量の低下→やる気の喪失→アルコール依存症という最悪の事態を招いてしまいます。これでは、百薬の長どころか百害あって一利なしということになるので、自分と家族の両方を苦しめてしまいます。

 

逆に、ゆっくりと余裕をもって楽しんだ場合は、万病のもととも呼ばれているストレスを解消できるうえに、血液循環が活性化するので、心身の健康を高めるだけではなく、クオリティー・オブ・ライフを向上させる効果も発揮されます。具体的には、休肝日と適量を守りながら就寝の3時間から4時間前には飲み終えるようにするという方法です。

 

これならば、眠りの低下→テストステロンの分泌量の減少→やる気の喪失→アルコール依存症という方向には移行しないので、自分を喪失することも他人に迷惑をかけることもありません。アルコールには、溺れるのではなく、たしなむということを心掛けるようにしましょう。

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